ユダヤ人の少年モモ(ピエール・ブーランジェ)は、幼い頃に母親が出て行き、父親と2人でパリの娼婦街で暮らしている。父親からも十分な愛情を注がれずに育ったモモは、近所の雑貨屋のトルコ人のイブラヒム(オマー・シャリフ)から生きる知恵を教えられ、心を開いていく。
【ネタバレです】
冒頭、13歳なのに16歳と言って娼婦と初体験する前に、どう声掛けるか練習するシーンが微笑ましいというか、男として気持ち判るなぁと。ちなみに私の場合は彼女でしたので(^^;
その後、父親が仕事を解雇され、家を出て、あげくに自殺してしまう。と状況は厳しくなる一方なのに、イブライムおじさんのコーランの教えのおかげか、深く掘り下げないからか、あまり不幸な雰囲気にはならない。
この作品は家族、人種、宗教と複雑にしようと思えばいくらでもできるのですが、暗くなりすぎず、2人の交流がメインになっているのも好きなところです。そんなのも、イブラヒムの故郷へ旅立つ前まで。本当はこれからもっと面白くなりそうだったんだけど、後半はショボクなりましたね。
イブラヒムが車の事故起こして、死にそうになるところなど、不自然極まりない。本当は12回のドラマが視聴率取れなくて、6回で終了になるぐらい、急展開ですよ。
感動作とうたってるので、イブラヒムから生きていくすべを学んでモモが成長していくのかと思えば、ラストで雑貨屋を継ぐなんてシーンで終わったら、イブラヒムの縮小再生産でしかないやないかと思うんですけどね。まあ、それだけ人生は甘くないってことなんでしょうか。
2005年1月22日(土) 梅田ガーデンシネマ
イブラヒムおじさんとコーランの花たち@映画生活