離婚から立ち直れない作家を目指す教師マイルス(ポール・ジアマッティ)が親友で1週間後に結婚予定の俳優ジャック(トーマス・ヘイデン・チャーチ)と一緒に結婚祝いを兼ねた旅行に出掛ける。マイルスはワイン&ゴルフ、ジャックは独身最後に羽目を外しまくりたい。2人の思惑は全く合わず・・・
同じ監督(アレクサンダー・ペイン)の「アバウト・シュミット」はあえてジャック・ニコルソンに普通の(でもないか)おじさんにしたところは、面白いなと思った。ただ、少々退屈な作品でした。彼の気持ちは今の私(30代)では判らなかったからです。
そういうイメージがあったので、ダラダラ・ロードムービーだろうとあまり期待してなかったですが、これがまた良い!有名人が出てないから余計にリアリティがあって、40歳ぐらいのおっさんが主人公なのも大きかった。「人生半ば過ぎても何も成し遂げてない。」なんてセリフも近い将来の自分を見てるみたい(^^; 本当に身近な雰囲気でコメディタッチなんだけど、ちょっと切なかったり、生きてるということが実感できる作品でした。
【ネタバレてるかも】
ワインのうんちく話は色々出てくるけど、酒が全くダメな私でも楽しく聞けた、ワイン好きなら尚更でしょう。マイルスが熱く語るシーンは、バカにできないなと思った。自分も周りからみたら、普通じゃないと思われてる所がきっとあるんだろうなと思ったから。
例えば、まるで自分が監督になったつもりで、とジーコにダメ出ししてる時とか、競馬場で、「蛯名Jはスタートでやらかすから軸では怖くて買えないで。」、「阪神のマイルは外枠不利やからな。」と話してる時なんて、まさにそうでしょう(^^;他人が聞いてたらどうでもいいことでも、自分の中では譲れなかったり、大切だったりすることあるじゃないですか、そういった気持ちを刺激されましたね。
ジャックといい仲になるステファニー(サンドラ・オー)、マイルスが好きになるマヤ(ヴァージニア・マドセン)、この4人みんな、目が良いですね。ちょっとした仕草と目の動きに感情が現われていて、応援したくなります。
「人生は極上のワインのように、そのピークを迎える日まで熟成していき、複雑味を増す。それからはゆっくり坂を下っていくが、ピークを過ぎた味わいも捨てがたい。」マヤがマイルスに語った言葉です。さらっと語るところが、また心憎いんですよ。
やっぱりマイルスは血液型A型でジャックはB型なんだろうかとぼんやり考えてしまった。
【追記】
こんなニュースが、
「サイドウェイ」の監督&女優夫妻が離婚
2005年3月12日(土) ナビオTOHOプレックス
サイドウェイ@映画生活