2作目が予想以上の出来だったので、期待を膨らませて行ってきました。少なくとも1作目は見ておかないと何がなんだか判らないと思います。もちろん2作目も是非!
ヤン(トニー・レオン)死後のラウ(アンディ・ラウ)の苦悩を中心に、時間軸を巧みに飛び越えながら、Ⅰ、Ⅱでの伏線が見事に収束していく、傑作シリーズの完結編。ラウのライバルとなるヨン警視(レオン・ライ)の人物像が謎に包まれているので、前2作のヤンvsラウ、ウォンvsサムのようなワクワク感がなかったのは残念だが、伏線がすっきりつながる満足感に浸れる作品でした。
ヤンが殉職して、警官として生きる決意をしたラウは、警察内に残るの潜入を見つけ始末することに。ある日、保安部のヨン警視の部屋で、巡査部長のチャンが自殺する。内務調査課へ復帰したラウは、ヨンが潜入マフィアであると確信し調べ始める。
【まったくもってネタバレです】
まず、オープニング。マッサージ店で暴れたヤンとキョンが
エレベーターに乗るところから、Ⅰのラストが思い出されて、しっかり物語に入っていくことが出来た。今作でのヤンはⅠでの苦悩のカタマリのような姿とうって変わって、精神科医リー(ケリー・チャン)との間では今までみれない笑顔が溢れていて、彼の人生も悪いことばかりだった訳じゃないと思わせる。ただこの辺りのシーンは長いような気もしましたが。
生き残ったばかりに、まさに無間道を彷徨うことになったラウは、偏執的なほどヨンの秘密を探る姿が哀れに思えてくる。善人でありたいという気持ちが強くなればなるほど、次第にヤンに自分の姿をかぶせて、さらには彼になりきろうとしてしまう。リーの元で催眠療法を受けるラウの隣にいるはずの無いヤンがいる姿がそれを象徴してると思った。
私はⅡの時に、ヤンがハウの異母弟なのに、あれだけ疑りぶかいサム(エリック・ツァン)がヤンを部下にするわけないない!と思ったのですが、今作を見てスッキリした。シェン(チェン・ダオミン)の弟リャンをヤンに殴らせながら、助ける気がなかったり、シェンとの取引では見殺しにしようとしたりで、ヤンに対して特に厳しかった。「俺は2度死んだ」というだけあって、サムが人を信じてないのもあるけど、心のどこかにハウの弟というのがあったから。それを乗り越えてヤンが生き残ったことで信頼を勝ち得たんだと思う。
一番好きななのがヤン、ヨン、シェンが語り合うシーン。ヤンはウォン警視しか彼の存在を認めてもらえなかったのが仲間の存在を知り、心底ホッとした顔になったのが忘れられません。
ヤンとラウが初めて出会ったオーディオ屋のシーンがラストなのも、これからⅠ見たいなぁという気にさせてくれましたね。
シェン役のチェン・ダオミン。「HERO」秦王役の人だったのですね、この人カッコイイよ。
2005年4月17日(日) 梅田ブルク7
インファナルアフェアIII終極無間@映画生活