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【ハイサイ、シーサー♪】       映画・サッカー・競馬!
by borderline-kanu
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「ベルンの奇蹟」
最初はサッカーを題材にしてるから、見たいなぁと思ってたのですが、家族のきずな、父と子の和解といったテーマを戦争とサッカーを通して描いています。戦後の傷が癒えない厳しい時代の物語だけどユーモアがあって、暖かい気持ちにさせてくれる作品です。もちろんサッカーのシーンもGOOD!結果は判ってても点取るたびにガッツポーズで席を立ちたい衝動にかられました(^^) 同じドイツ映画の「グッバイ・レーニン!」が好きな人はきっと楽しめるんじゃないかな。

ドイツがまだサッカー強豪になる前、1954年のスイス大会で当時無敵のハンガリーを決勝で逆転勝利したことを「ベルンの奇蹟」と呼んでいる。
マチアスの父はソ連の捕虜となっていたが11年ぶりに家に戻ってきた。それまで親子4人でうまくやっていたのに、捕虜生活で心が荒んでしまった父は家族の気持ちを理解できないでいた。マチアスは自分はサッカーは下手だけど、街のクラブのサッカー選手ラーンの荷物持ちをしていて、彼がワールドカップの代表に選ばれたので、一緒に行きたいと思うが父は許さなかった。

【ネタバレたっぷり】
「ベルンの奇蹟」_a0031718_2042282.jpg

アメリカの映画でもベトナム帰りの兵士がちょっとおかしくなるというのはよく見ますが、父リヒャルトも炭鉱での採掘機の音が機関銃に聞こえて倒れるシーンは痛々しかった。捕虜時代を語る時も、感情を殺さないと先の見えない生活に耐えられない辛さを感じた。戦争に行くことが、死ぬ恐怖だけじゃなく、トラウマになるぐらい酷い経験をしないと生き延びれないという現実をみせている。

そういった心の傷を1人で抱え込んで家族とすれ違いが続くが、野原で落ちていたサッカーボールを使ってリフティングからバイシクルシュートした時の笑顔が忘れられない。これで吹っ切れたという顔だった。その後、家族の前で素直になれたシーンは涙が止まらなかったです。

この作品ラストでは、それまでの伏線が完結させてるのも見事でした。
①ラーンがマチアスがいれば試合に勝てると言ったこと。
 ⇒終了間際に会場についたマチアス、その姿を見たラーンが決勝ゴール。
②試合が終わったら冷えたビール持って待ってろよ。(雑談の中の言葉)
 ⇒選手専用列車にうまく乗り込んで渡す。
③父が「ドイツ男は泣くな。」とマチアスを叱る。
 ⇒家出した長男の手紙を読んで、顔をくしゃくしゃにして子供のように泣く父。
どれも些細な会話なんですが、③などは父の感情の変化がよく現れてますね。

サッカー記者の夫婦が生まれてくる子供の名前を賭けてるエピソードも二人のやり取りが素敵でした。

2005年5月22日(日) ナビオTOHOプレックス
ベルンの奇蹟@映画生活
by borderline-kanu | 2005-05-29 20:42 | 映画レビュー
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