予告編を見た限り、ラストは想像ついたのですが、そこまでの過程は「愛に打たれる」と言ってもホセ・メンドーサのコークスクリューパンチぐらい(判る人だけ判ってください。)の破壊力がありましたね。
これで今年のアカデミー作品賞ノミネート全作品見ました。
個人的好みでは
「サイドウェイ」>
「ネバーランド」=
「Ray/レイ」>「ミリオンダラー・ベイビー」>>>
「アビエイター」こんな感じです。
「ミリオンダラー・ベイビー」アカデミー取るのにふさわしい作品だと思いますが、好みかというとそれ以上の作品はもっとあるなぁというところです。
トレーナーのフランキー(クリント・イーストウッド)は、元ボクサーあがりの雑用係スクラップ(モーガン・フリーマン)と、ボクシングジムを経営している。ある日、女性ボクサーのマギー(ヒラリー・スワンク)はフランキーにトレーナーなってと頼むが、女性のボクサーを認めず、「タフなだけではボクサーになれない。」といって断わる。だが連日ジムに通い詰めるマギーにスクラップが手助けをし、やがてフランキーも彼女を認めトレーナーとなる。
【ネタバレです】
フランキーは、実の娘に手紙を出しても読まれぬまま返ってくるほど冷め切った関係になってること、スクラップの現役最後の試合で失明してしまうまで試合を続行させてしまったことの2つの出来事が後悔の念として残っており、毎日教会に通っている。
最初、マギーを拒絶していたのが、トレーナーとなったのは、娘との関係を穴埋めするかのようだったし、口癖のように言う「自分を守れ」という言葉も、スクラップを失明させた経験からきているのだろう。「自分を守れ」という言葉にがんじがらめになってるのはフランキー自身でもあって、ビック・ウィリーが世界チャンピオンになれるチャンスを引き伸ばしてきたことで、彼はジムから去っていってしまう。
世界戦で不意をつかれたパンチで脊髄を損傷し、ベットで寝たきりになってしまう。
「私のお父さんが犬にしたようにして・・・」コークスクリューでした。
マギーからすると、ボクシングどころか普通の生活もできない、しかも実の家族からは金づるのようにしか見られてないことが解かって絶望する気持ちがこの言葉に詰まっていたと思う。
この言葉を聞いたあと、マギーは自殺を図って、実質2日ぐらいで(私の見落としかもしれないのですが)フランキーは決断したたところが、あまりにも性急すぎる気がしてならなかった。もちろんそれまでも、出来る手は尽くしていたけど、実の娘と同じ気持ちで(モ・クシュラという言葉に込められてる)いるのなら、最終的には同じ答えになったとしても、一度教会に行っただけでなく、冷静になる時間があっても良かったんじゃないかと思いました。こう思うのも
「海を飛ぶ夢」を見たのと、前半エピソードを積み重ねてフランキーの苦悩をしっかり描いてきたからこそ、余計にそう思いました。
一切のスタントなしでボクシングシーンを演じたヒラリー・スワンク。縄跳びするシーンなども筋肉がしっかりついていて、アスリートの体になっていた、相当トレーニングした跡がうかがえましたね。
2005年6月1日(水) 伊丹TOHOプレックス
ミリオンダラー・ベイビー@映画生活