【ハイサイ、シーサー♪】       映画・サッカー・競馬!
by borderline-kanu
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「マラソン」
自閉症の19歳の青年が3時間以内でマラソンを完走したという実話を元にした作品です。障害者を持つ家族の問題に切り込んでいて、親の立場になって考えさせられる作品でした。でも終わった後、とても爽やかな気持ちになれます。

自閉症の青年・チョウォン(チョ・スンウ)は、5歳児ほど知能しかない。人とのコミュニケーションがうまくとれずパニックになったり、興味や関心が非常に偏っており、社会生活は難しく、母親のキョンスク(キム・ミスク)が、絶えず世話をしなければならなかった。走ることが得意なチョウォンはハーフマラソンで3位に入賞。TVの取材を受けて、母親はサブスリーというフルマラソンを3時間以内で完走するものがあると知り、チョウォンに挑戦させようと考える。

【ネタバレです】
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TVのインタビューで、お母さんの夢はと聞かれた時に、最初は「サブスリーの完走」と言ってたのを、「息子より1日長く生きること」と言い直した。この一言がチョウォンを取り巻いてる状況を全て表している。マラソンで完走したとしても現実問題として、チョンウォンが1人では生活できない。それが夫や次男への無関心に繋がり、家族の間もギクシャクしてきた。判っていても変えられない現実が重く彼女に圧し掛かってるのが伝わってくる。

フルマラソンに出るため、施設に来ていたオリンピックで入賞経験のあるチョンウクにコーチを頼む。だが、チョウォン以上に熱心なキョンスクに対して、「マラソンをさせるのは、母親のエゴではないのか?」と。最初これをエゴと言ってしまうのは、酷だと思った。チョウォンにやりがいを持たせて、生きる喜びを与えたいとう気持ちは、私も同じようにしてるだろうと思えたから。

チョウォンに対して、少しでも前向きに生きれるようにと彼女は嫌いと言わせないように教えてきた。人に何か聞かれると好きと答えるように。チョウォンが好きなのはチョコパイとジャージャー麺とシマウマ、これは彼のこだわりをみても確かなこと。ただ才能はあったとしても、走ることが本当に好きなのかどうかは、実はキョンスクにも判らなかった。

練習で出たフルマラソンでチョウォンが、ペースを守らず暴走し、完走できなかったことをきっかけに息子の為と思ってやってることが、自分の生きがいになっていたことに気付く。これって、本質的には、子供を良い学校に行かせたい教育ママとなんら変わりはないと思うと、他人事ではなく急に現実的な話になってきますよね。

チョウォンが主役なんだけど、彼の行動を通して家族のあり方や、苦悩を描いているところが、物語の深みを増してるのだと思います。そして、チョウォンの突飛な行動が暖かな笑いを誘います。野球場でチアリーダーと一緒になって踊りだしたり、コーチにスモモを食べられないようにカバンを持って走ったりと彼の素直さにホッとした気分にさせられました。

最初気付かなかったんですが「ラブストーリー」のジュノ役をやってるチョ・スンウだったんですね。本人と一緒に生活したり、マラソンを併走したらしいのですが、自閉症の演技は湿っぽくなく、ユーモラスで救われてる気がしました。今後も出演作は気になります。

2005年7月2日(土) 梅田ブルク7
マラソン@映画生活
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by borderline-kanu | 2005-07-19 20:13 | 映画レビュー
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