「キングコング」も初日なのに、ニコラス・ケイジを観てきました(^^; 年末の忙しいなかで、なかなかペースが上がらんなぁ。
タイトルロールでいきなり魅せてくれます。
「チャーリーとチョコレート工場」は、昔、NHKでやっていた「働くおじさん」で見たかのような「チョコが出荷されまで」だったけど、こちらは「銃弾の一生」が陽気な曲に合わせて描かれてる。もう一つ素晴らしいのが、それが銃弾目線なとこ(^^; 転がった銃弾を指でつまむシーンなどお茶目な感じで始まるのですよ。
主役のユーリー・オルロフ(ニコラス・ケイジ)は実在する5人の武器商人をイメージした人物像ということで、全くフィクションとも言えない内容になっています。
【ネタバレです】
オープニングのイメージと違い、淡々と進むシリアスな社会派の作品でした。でも決して退屈なわけではない。アメリカが戦場から撤退するときに捨てられた武器を転売したり、冷戦後の東欧諸国に大量にある武器を横流して大儲けをするなど、裏世界を垣間見れて興味深い!
ユーリーはステレオタイプの悪徳商人ではなく、子供のおもちゃ拳銃を捨てたり、奥さんから真っ当な商売をしてと言われて、一旦止めるあたりは、家族思いのビジネスマンであったりもする。こういう2面性があるから物語に深みをもたらしてると思う。だからこそ武器商人にのめり込んでいくところをしっかり描いてほしいと途中までは思ってました。しか~し、本当に訴えたいことがラストにあったことであえてそうしたのかと納得できた。
ユーリーとインターポールの刑事(イーサン・ホーク)の駆け引きを中心に武器商人の話はしてきたのは、もっと大きな商いをしているアメリカを初めとする武器輸出大国の姿を暴くためだったんですね。ユーリーの2面性はアメリカの姿そのままで、世界の警察を自認しても、裏ではゲリラなどに武器を売っていることは、冷戦時代からの負のスパイラルとしかいいようがない。しかも自ら売りにくい地域には、武器商人を通じて販売しているという同じ穴のムジナだと。
アフリカのシーンはどれも衝撃的でしたね。
一晩ででっかい輸送機が解体されていく姿は、お菓子に群がる蟻そのままでした(^^;
2005年12月17日(土) 三番街シネマ 初日の1回目だぜ!
ロード・オブ・ウォー@映画生活