【ハイサイ、シーサー♪】       映画・サッカー・競馬!
by borderline-kanu
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「ミュンヘン」
バラエティに飛んだ作品を送り出し続けるスティーヴン・スピルバーグの懐の深さを感じました。それでも、子供は殺さないことや、家族の物語であることを考えればテーマは違っても監督の映画に対する姿勢が変わらないことがわかりますね。

ユダヤ人監督によるイスラエル側からの描写なのでもっと冷徹で感情のない暗殺集団かと思っていたのですが、これならイスラエルからも批判が起こるのは理解できる。それだけ偏りのない作品と言えるんじゃないでしょうか。アブナー(エリック・バナ)の家族への思いと暗殺者としての苦悩はグッと物語の深みを増していて、最後まで画面から目が離せませんよ。
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まず、暗殺集団が素人ばかり(暗殺のプロでないという意味)で構成されてるところに意表をつかれた。成功させる気があるのかと思ったけど、11人もやるには正体を知られてないというメリットの方が大きいんでしょうね。

アブナーがいきなり料理を振舞うシーンは、とてもこれから人を殺す相談をするとは思えないほど、包丁さばき見てるとレストランやった方がええんじゃない、「ブレイキング・ニュース」を思い出しました(^^;

殺しの場所、殺し方も様々で、ホテルのとなりの部屋を取って、爆弾を押すタイミングを計るシーンなど、危なっかしさが、よりリアリティを感じさせます。そして自分たちが暗殺者だと思っていたのが、いつの間にか標的になり、疑心暗鬼に陥る。アブナーがベットや電話、TVを解体するところは壊れてしまいそうな彼の恐怖と孤独が表れてましたね。キッチンのショーウインドウ越しに家族の姿を思い描くアブナーが印象に残ってます。

PLOと同宿した時、リーダーが「自分の国が欲しい!」という熱い声は、イスラエルとパレスチナ、ユダヤ人とアラブ人、この関係は頭でわかってるつもりでも、単一民族で島国の日本人には理解し得ないもんだと思った。

「目には目を。歯には歯を。」紀元前1750年に制定された世界最古のハムラビ法典の有名な言葉。私は復讐を認めた法律と思っていたけど、実は報復合戦の拡大を防ぐために定められたそうです。こんなに昔から人は争っていても、報復することをやめれないということは、文明は進歩したようにみえても、人間自体は成長してないということなんだと思います。ニューヨークで締めくくるところなどは、嫌でも9.11を思い出させる圧巻のラストでした。

原作の「標的は11人 モサド暗殺チームの記録」を近いうちに読まなければ。

2006年2月5日(日) 伊丹TOHOプレックス
ミュンヘン@映画生活
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by borderline-kanu | 2006-02-12 23:50 | 映画レビュー
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