子供のような純粋な村という意味のトンマッコル。
前半の微笑ましい村の様子や、敵同士の交流が人間の良さを写し出してる分、後半の村を守るための作戦がより切なくなります。
イノシシとの格闘は、思いっきり
「スウィングガールズ」でした(^^;
【ネタバレです】
オープニングのヨイル(カン・へジョン)の笑顔にやられた(^^)
純粋な目と笑顔は、トンマッコルの象徴のようです。周りの時間から取り残された村をファンタジー要素たっぷりに描いたのは正解ですね。ヨイルは頭が弱いという設定なので、手榴弾のピンを外すのは理解できます。ただ、村人たちも武器を知らないというのは、普通では考えられないんだけど、村を包む暖かい雰囲気が、それを許してると思います。
不発の手榴弾を投げ捨てたら、食料庫で爆発し、とうもろこしが弾けてポップコーンの雨を降らすところは、大好きです。
韓国軍のピョ少尉(シン・ハギュン)の過去を思い出すシーンが後半へのスイッチでした。
トンマッコルへ来てからは、今のことに精一杯で、過去を振り返る余裕がなかった。やっと落ち着いてきたとこで、自分の立場を思い出したというような感じが良かったです。最初から頻繁にフラッシュバックを使うことなく、弓をギリギリまで引き絞ったような絶好のタイミングでしたね。
逃げる人たちがいるにも関わらず、人民軍の進行を止めるため、橋を爆破してしまったことで、罪の意識にさいなまれている。自殺まで考えたが、暖かいトンマッコル村人たちの心に触れて、陽動作戦をやろうと思ったんでしょうね。
陽動作戦が成功し、爆弾が落ちてくる寸前の生き残った3人のやりきったという笑顔が非常に印象的でした。
見落としていたのかもしれないですが、1つ不明な点があります。
アメリカ人兵士たちがスミス奪還の為にパラシュートで降りてきてから、一度本部へ連絡していたのに、スミスを見つけてからは、何故本部に連絡しなかったのかということです。たとえレシーバーを持ってる人間が殺されていても機械は残ってるはずなんですよね。そうすれば、空爆されることもなかったのにと思うのですが・・・
前半、後半の落差も含めて、見ごたえのあります。ファンタジーと戦争という正反対なものを上手く組み合わせた作品でしたね。
10月29日(日) シネ・リーブル神戸
トンマッコルへようこそ@映画生活
http://www.eigaseikatu.com/tb/tb.php?movie_id=16114