【ハイサイ、シーサー♪】       映画・サッカー・競馬!
by borderline-kanu
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「墨攻」
題名が?だったので、観る気もなかったんです。
『10万人の敵を相手にたった1人で挑む』というコピーにアジア版ランボーかよ、と思いながら、アンディ・ラウ、アン・ソンギと知ってる人が出てるのでちょっと安心。しかも、原作が日本の漫画と聞いて、「オールド・ボーイ」のように、うまく映画化されると嬉しいような、悔しいような気になるなぁと考えた時点で、観ること決定(^^;

三国志が好きで中国の歴史モノにも興味はあるんだけど、情報量が多そうだからと、「三国志」と「項羽と劉邦」ぐらいしか本読んだことありませんでした。でも映画観た後、速攻で本屋に飛び込んで、漫画じゃなくて、その原作になる酒見賢一の小説「墨攻」買いました!いまどき380円は嬉しい。

主人公・革離(アンディ・ラウ)が所属する墨家とは、墨子を祖とした思想集団。紀元前の春秋戦国時代に自ら侵略することは絶対にしないが、他国に攻められた国から要請があれば、城を守るために駆けつける戦闘集団でもあった。

本当のところ、資料が少なくて、墨家のことは大まかにしかは判ってないそうです。だから墨家の非攻、兼愛という考えをベースに、粱城を巡る攻防の面白さや、戦争の不条理さもみせてくれる、歴史絵巻です。

【ネタバレです】
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『10万人の敵を相手にたった1人で挑む』ってウソやん(^^;
城には兵士と農民合わせて4000人ほどはいた事になってるし、相手も10万といっても、戦闘に参加できる兵士は1~2万程度やと思います。それでも、規律も何もない農民のモチベーションを上げ、城を守るためにありとあらゆる手を打つストイックな姿は職人という言葉がぴったりだと思った。

攻城戦といえば、「キングダム・オブ・ヘブン」が印象的でしたが、それ以上に細かい部分にこだわってましたね。
牛の糞を城壁に塗って、火矢の延焼を防いだり。城内に向かって、トンネルを掘った時に出る土を捨てて、相手に悟られないようにしたり。巷淹中(アン・ソンギ)と革離の頭脳戦を堪能しましたよ(^^)

捕虜にした兵士を命令に背いて、味方が皆殺しにしたことで、革離の中に疑問が生まれる。殺すしかないのは頭で判っていても、本当にそこまでする必要があったのだろうかと?
このシーンは、戦争の持つ冷徹な一面を表すには、悪くないけど、戦闘のプロとして経験も積んでるはずの彼が、今さら思い悩んでるようじゃダメでしょって思いました。せめて、違う人に言わせれば・・・ 

また、逸悦(ファン・ビンビン)とのロマンスいうか、ふれあいに関しても、そんなに派手ではないものの、この非常事態に、どうなんよ、とは感じました。ただ彼女の存在が革離の中にある墨家とはこうあるべきという考えに揺るぎをもたらした事は、いつの間にか儒教に取って代わられた墨家の限界を現してるのかもしれません。
ファン・ビンビン初めて見ましたが要チェックですよ、顔小さくてスタイルいい!ぜひ現代劇でも観たい。

ラストに粱王が巷淹中がいる部屋に火をかけた後の顔がほんまに悪そうで、この5年後に暴政で失脚するというのが納得の顔やったなぁ(^^; 一度権力を握ると何としてでも守りたくなるもんなんですかね。

小説「墨攻」について
映画よりも墨家のことについて詳しく書かれてました。信賞必罰の厳格さで農民の掌握していく革離のよりプロフェッショナルな姿が魅力的。150Pもない短い話なのに、映画のエッセンスがギュッと詰まってます。ラストも大きく違ってるので、映画見た人もお勧めですよ。

2007年2月4日(日) 梅田ピカデリー
墨攻@映画生活
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by borderline-kanu | 2007-02-10 16:49 | 映画レビュー
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