ジクソーパズル欲しさに前売券買いました(^^;
「21グラム」は、登場人物みんな不幸な作品だったので、ある程度覚悟はしていたのですが、これも重い作品ですね。日本が舞台でアカデミーにもノミネートされたから大きな劇場で公開されてるけど、内容的にはミニシアター向けです。菊池凛子さん目当てで気軽な気持ちで観にいくと、痛い目合いますよ。
【ネタバレです】 ↓ブラピの目の下のシワが気になった。
モロッコ、日本、アメリカ、メキシコとどうのように物語が繋がるのかと思えば、一丁のライフルだけで日本を入れるのは、かなり乱暴。入れない方が物語としてもすっきりするだろうし、もっと濃く描けていたんではないかとも思います。俳優の演技は上手いんだけど、登場時間が短い分、表面的な部分しか見えない人も多い。そんな中ではチエコ(菊地凛子)が一番内面をさらけ出していたんじゃないでしょうか。
海外の人はどう見るか判りませんが、菊地凛子が高校生というには無理があるだろう。ヨメさん曰く、『10代でなく、大人の体になってる。』というのも頷けます。ただ彼女だから、あれだけのインパクトを残せたのも、また事実。
母の自殺、自分のことを理解してくれない父、しゃべれないことで偏見の目で見られる、1人で抱えきれないぐらいの不安や怒りを、自分の体を晒すことでしか解消できない辛さを感じました。オールヌードやノーパンちらりは、ヤラシさよりも痛々しさの方が大きいなぁ。ただ、あそこまでやると完全に痴女だけど・・・
リチャード(ブラッド・ピット)の子供から、アメリア(アドリアナ・バラーザ)が、『悪い人なんでしょ。』と言われて、『悪くはない、ただ愚かだったんです。』という言葉が、この映画の全てを表してると思う。
映画の登場人物のように極端でなくても、正しいと思っても、裏目に出ることや、自分だけは大丈夫と思っても、他の人を巻き添えにすることは、誰にでも起こりうる。そんな時に、少しでも早く自分の非を認める勇気や、周りの人からのアドバイスを聞き入れる度量があれば、もう少し違った結果になるんだろうな。でも、こういうのって、客観的に見てるときは何とでも言えて、いざ自分が渦中にいれば、どんどん愚かな方へ進んでいくんだろうなというのも、自分自身のことを振りかえれば、納得してしまうんですよね。
どの物語も最悪の結末にはならないけれども、何も解決したわけではない。そんな中で唯一、モロッコで通訳の男性が、リチャードからお礼のお金を受け取ろうとしなかったシーンは、彼の人間性と意地を見せてくれたようで清々しかった。
メキシコのニワトリを絞めるシーンはリチャードの子供たちが目を見開き、ギョッとしてるのに対して、現地の子供たちの底抜けの笑顔が印象的。メキシコの子供たちの逞しさを感じます。
モロッコでの開放的な○○○○は、ある意味、男の憧れじゃないですか(^^; 想像力豊かな大人に育ちますよ。
2007年4月28日(土) 伊丹TOHOプレックス
バベル@映画生活