スパイダーマンは、壁を登れるし、糸を使えば、自由自在に動き回れる。これで、重力お構いないなし、観客の予想を超えた2次元から3次元のアクションを可能にしました。でもスーパーマンのように空を飛べる訳ではないのがミソなんですよね。そして、何と言っても、スパイダーマンの動きに映像が追いついたのが前作
「スパイダーマン2」。アクションに関しては、一つの到達点に達した作品やったと思います。
400億円以上の製作費をかけたと聞いて、どんなものが出来るのかという期待以上に、2を超えるというかなり高いハードルを自らかけたサム・ライミ大丈夫かという気持ちの方が大きかったですね。
ゴジラの「怪獣大戦争」のように、惜しげもなく次々と敵を出してきてバトル満載なのに、それぞれのキャラに自己との葛藤の物語を組み込んでるので、かなり盛り沢山になってます。それでも、ピーター(トビー・マグワイア)とMJ(キルスティン・ダンスト)のどっちもどっちの恋模様をベースにしてるから、ぶれることなく収束できたと思います。脚本はかなり強引でしたが(^^;
【ネタバレです】
ピーターは頭はいいけど、それ以外は平凡な人間。
MJがいることを知っていて、イベントの時に同級生のグゥエン(ブライス・ダラス・ハワード)とスパイディ・キスをしたりと空気の読めなさは、痛いぐらいです。
だからこそ、前髪垂らしの悪人姿が、余計に滑稽に見えるんですよね。格好つけて街を歩いたり、振られた腹いせにMJの前でグェンとダンスしたり、ヴェノムに操られているのは分かっていても、どっか無理してるような雰囲気を醸し出しているところが面白い。
ハリー(ジェームズ・フランコ)がピーターに対して『MJは俺のもんだ。』と言ったシーン(ピーターの幻覚かもしれない。)の顔は、本当に悪そう。それに比べて、ピーターの悪人顔はどこか可愛いところが残ってましたね。
MJは、相変わらずですね(^^;
早く別れたほうがピーターのためと1から思ってるんだけど・・・
スパイダーマンと判っていて付き合ってるのに、舞台がうまく行かないと自分のことばっかりになるところは、ほんまに好きなんかなと思ってしまう。ハリーに脅されて、ピーターと別れ話をするシーンも、本当に別れてたくないなら、真実を伝える方法はあったでしょ。
少ない出番で印象的だったのが、ハリーの執事。
誰もが画面に向かい『もっと早よ言え!』つっこんだだろう、真相を語るシーン。ハリーがどんな風に気持ちを変えて助けに行くのかなと思っていたから、あの強引なやり方にはがっかりでしたね。忠実な執事と思わせていて、裏で全てを知って楽しんでいた男に思えてきてしまいます(^^;
2を観た時ほどの驚きはないものの、飽きさせることなく一気に最後まで観れました。ハリーが死んで一応、キリがついたと思うので、できればこれで終わりにして欲しいところ。シリーズが長くなればなるほど、アクションへの慣れが起こるし、脚本が良くないと難しいと思うので、このあたりで大団円とした方が無難じゃないでしょうかね。
2007年5月3日(木) 伊丹TOHOプレックス
スパイダーマン3@映画生活