蜘蛛男や海賊の続編よりも、期待していた作品。
でもね、いい加減予告編で『この映画はトリックそのもの騙されるな。』、『目を凝らせ、すべてのシーンに罠がある。』とか言って欲しくない。気持ち良く騙されるのは、映画の醍醐味のひとつだとは思うけど、そんなことを予告する必要はないし、それが正しいならともかく、この作品=トリックというのはちょっと違う。
確かに至る所に伏線があるし、しかも見様によって○にも×にもどっちにも取れるような部分を残しているので、考えながら観てしまいます。でも、しっかり観ていればラストは十分予想の範囲内。監督が観客を騙そうとするような演出をしてる訳じゃなく、どう見せたらこの物語が面白くなるかという構成が絶妙なんですよ。だからあのラストは、SF入っていても、違和感なく受け入れられました。
【完全にネタバレです】 未見の方は読まないで。
まずはボーデン(クリスチャン・ベール)とファロンの双子のこと。
奥さんを家に送った後、帰ったにもかかわらず、家の中に現れたシーンが瞬間移動の原型やったんですよね。最初は意味が判らなかったけど、見終わってから、そっかって話が繋がるんです。この他にもアンジャー(ヒュー・ジャックマン)の奥さんが事故でなくなる時の紐の結びがなんで間違ったのかや、葬式の時の戸惑いとかも納得しますよね。そんなに頻繁に変わる必要もないんやろうけど(^^;
腑に落ちないのは、アンジャーがファロンを捕まえた時に双子って気づくんちゃうの?ってことかな。
ニコラ・テスラ(デヴィッド・ボウイ)の怪しさも抜群でした。
冒頭に繋がる複製のシルクハットや猫が庭にいるシーン。まさかあんなモノが作れるはずがないというのと、1回目にアンジャーにお金が足りないと、さらに出資させたことがあったんで、シルクハットや猫もテスラが仕組んだんじゃないかと思いましたよ!
それもアンジャー自らの実験で複製を撃ち殺したことで納得するしかない。ラストのどんでん返しにこだわるなら、ここでばらす必要はなかった。でも結果的はこれは正解だったと思う。早めに種明かしをしたことでラストへ畳み掛けるように物語が進んでいって見ごたえがありましたよ。
前売券のおまけ、マジックトランプまだ使ってないなぁ。
2007年6月9日(土) 伊丹TOHOプレックス
プレステージ@映画生活