芝居向けだなと思って観ていたら、実際に48BLUESという渋谷系小劇団で2003年に上演されていたそうです。
芝居を元にした作品と言うと
「サマータイムマシン・ブルース」が思い出せます。また、ずっと同じ部屋にいて、謎が解けていくと言えば、「12人の優しい日本人」と同じ。この3作品、共通するのは、映画より映像的制約が多い芝居がベースになっているのも大きいと思うのですが、脚本がしっかりしているのと、個性的すぎる登場人物が多数出ているところ。個人的に非常に好きな作品たちなので、贔屓目もありますが、ハリウッドのようにお金をかけなくても、良い映画を作れるという見本やと思います。
アイドル・如月ミキの一周忌追悼会に集まった5人の男たち。家元(小栗旬)、オダユージ(ユースケ・サンタマリア )、スネーク(小出恵介)、安男(塚地武雅)、イチゴ娘(香川照之)。家元が運営するファンサイトの常連である彼たちは、最初は彼女の思い出話に花を咲かせていたが、いつしか彼女の死の真相を推理しだしていた・・・
【ネタバレです】
死の真相(あくまでも彼らの推理ですが)に近づくにつれて、それぞれが如月ミキと関わりがあるということが、少しづつ判明していくタイミングが絶妙で、ジクソーパズルが出来上がっていくかのような気持ち良さがありました。狂言回しかと思っていた家元がミキちゃん大切な人(推測)だったというのも、爽快でたね。5人のコンビネーションの良さが伝わってきました。
全員芸達者だなと感じましたが、その中でも香川照之は別格でした。
どんな役でも出来るけど、風変わりなキャラを違和感なく演じていて、芸の幅の広さにはいつも感心させられます。好んで変な役に出てる気がするぐらい(^^; でも、この映画でひっかっかたのは、彼の役柄なんです。
5人は少なからず、ミキちゃんの死に関係していて、しかもイチゴ娘は実父だというのに、ラストでプラネタリウム見て、すっきりしてる場合じゃないだろうって思いませんか?コメディであることは間違いないので、あまりつっこむべきところでもないんだけど、せめてイチゴ娘だけでも、違ったリアクションをしても良かったんじゃないかな。
ラスト、ビデオのミキちゃんの歌に合せて応援する5人の踊りがバラバラなのと、振り付けラッキィ池田だったのには笑えました(^^;
2007年6月23日(土) シネリーブル神戸
キサラギ@映画生活