【ネタバレです】
いきなり、昏睡から目覚めたジャン=ドー(マチュー・アマルリック)目線なので、いやがうえにも追体験しながらの鑑賞になります。「自分を哀れむのを止めた」という心境に至るまでが意外と短かったのですが、そこに至るまでは想像を絶する苦悩があったんでしょうね。観てるだけでも、死んでしまいたいという気持ちになっても不思議じゃないと思いましたよ。
同じように首から下が不随となった男の物語、
「海を飛ぶ夢」は、死ぬためにどうするかということだけが映画になっていたぐらいですから。2人の状況は似ていても、(ジャン=ドーの方が左目しか動かないことを考えれば辛い!)映画の方向性が前向きになのと後向きなのは興味深いですね。
左目しか動かないので、会話の方法は上の写真にあるようなボードを相手が読み上げながら、伝えたいアルファベットになったらウインクするという気が遠くなるような作業です。
ただ見終わってヨメさんとも話していたんですけど、ボードを見せながらアルファベットを棒でなぞっていって、伝えたいところに来たらウインクしてもらうようにした方が、よっぽど速いんちゃうかとか、会話なら「私は」で始まることが多いはずやから、J(フランス語ではJe)を20番目やなくて、もっと前にするとか、工夫していったらいいにのと思ってしまいました(^^;
そんな中、1冊の本を書き上げるというのは、凄いことですよね。でも一番驚いたのは、この本が出版されて、幾日も経たないうちにジャン=ドーが亡くなったことです。気力を使い果たしてしまったのかなと。
こういう映画を観ると、1日1日を無駄に生きてる場合じゃないなと、その時は思うんですけどね(^^; すぐに流されてしまいますなぁ・・・
2008年3月1日(土) ホール・ソレイユ
潜水服は蝶の夢を見る@映画生活