【ハイサイ、シーサー♪】       映画・サッカー・競馬!
by borderline-kanu
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「あるスキャンダルの覚え書き」
久しぶりに背筋が寒くなる映画に出会いました。これは本当に面白い!
【ネタバレです】
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事件が起きると近所の人の証言で、「あの人がこんな事件を起こすなんて信じられない。」というようなコメントが出ることが良くありますが、この映画のベテラン教師・バーバラ(ジュディ・デンチ)もまさに、そう言われるタイプの人です。

「バスの運転手に触れられただけで、電気が走った。」というような話があったように、バーバラは相手が女だろうが男だろうが関係ないんだと思います。恋愛の相手というより自分のことを理解してくれる人が欲しい、それが歪んだ愛情に変わっていくんだと思いました。

同性愛的なところがよりスキャンダラスなイメージを湧かせますが、本質は孤独をテーマにした作品です。

シーバ(ケイト・ブランシェット)のことを勝手に自分の待ち望んだ女性だと思い込み、盗み見しては日記に書いていく。これってストーカーそのものなんでしょうが、本人にはその意識が全くない。でも、それが長年、周囲から疎まれてきたことで、孤独な中、妄想することと現実の区別がつかなくなってきたのであれば、あまりにも切ない。本人の元々の性格もあるだろうけど、長年の置かれた環境で変わってくるものも大きいのだと思う。

一方、シーバは家族がありながら、ダウン症の息子のことで不安感を常に持ている。学校の生徒に言い寄られ、関係を持つことで、その時だけは不安が解消したような気になっているんだと思う。彼女も本心を夫に素直に言えず、孤独な気持ちをどこにぶつけたらいいか判らなくなってしまっていた。

自業自得なのはもちろんなんですが、2人の「なんで私のことを判ってくれない!」という気持ちが多少は解る気がするんですよね。

これを映画だからと言うのは簡単だ。
しかし、日本だって今後ますます高齢化が進んでいき、孤独な生活をしいられる人だって増えてくる。また、家庭があっても会話がないとやはり孤独なことには変わりない。そう思うと自分の人生をどう生きるかってことまで考えさせられてしまう作品だと思います。

バーバラの唯一の友達である猫が死んで、葬式に一緒に行くことを強要するあたりからの畳掛ける怒涛の展開は見応えあります。
シーバを追いかけてきたレポーターが、家から出てきたバーバラを「婆さんだ!」というシーンはあまりにも失礼なんだけど、イギリスではあんなもんなんですかね(^^;
ラストで新しい獲物を見つけたバーバラが会話をするシーンは、得体の知れない怖さを感じました。レクター教授のように見えましたもん。

無駄なシーンが一切なく、バーバラの孤独を焙り出すような物語に目が離せませんでした。

2008年5月6日(火) DVD
あるスキャンダルの覚え書き@映画生活
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by borderline-kanu | 2008-08-17 22:29 | 映画レビュー
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