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by borderline-kanu
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「魔王」 伊坂幸太郎 文庫
最近は、新刊を買うことも少なくなって、ほとんどブックオフ頼りなんですよね。でも文庫に限ってですが、伊坂幸太郎だけは早く読みたくて買ってしまいます。

伊坂さんの小説は、喋る案山子が出てきたり、超能力というか不思議な能力を持った人間が結構出てくるけど、それが現実と違和感なく融合しているように感じさせるのは凄いなと思いながらいつも読んでいます。不思議な能力を持っていても、彼らの普通の人としても一面もしっかり描いているからなんでしょうね。

今作でも、自分の思った言葉を他人の口から話をさせる力を持った兄と勝負事に必ず勝つことができる弟の2人が主人公として「魔王」、「呼吸」と連作で登場します。(ネタバレあり)

「魔王」の読み始めるとファシズム、アメリカや中国との外交関係、憲法改正問題など、今までの伊坂さんの本には無い政治的な内容もふんだんに盛り込まれながらも、他の作品と同じように引き込まれる面白さがあります。日本の首相となる犬養(この時点ではまだ、未来党の党首)の芝居がかってはいても、ありきたりの政治家とは一味違った言動が妙に心地良く聞こえてくるのは、本の中の国民だけでなく、読んでる私自身でした。

いま塩野七生の「ローマ人の物語」を読んでいるところなんですが、民主主義を装いながら、いつのまにか自分が権力の中心になるように法改正を繰り返しいったローマ初代皇帝のアウグストゥスと犬養とは同じ匂いを感じました。そんな犬養を危険と感じた兄が、自分の能力で彼の演説を変えようと人込みを進んでいる時に急死してしまう。「ここで死ぬか~」と思わず声に出てしまいましたがな(^^;

後で気づいたんですが、その予兆はあたんですよね。伊坂作品には登場人物が複数の作品にチョコチョコと顔を出すんです。登場人物探しも楽しみの1つなんですが、まさか金城武りが出てくるとは、思いませんでした(^^; 判らない方ごめんなさい。

「呼吸」は兄が死んでから5年後のお話。
語り手が弟ではなく、彼女の詩織(呼吸では結婚している。)になってる分、穏やかな雰囲気になっている。しかし「魔王」で兄頼りの弟が、自分の力に目覚めたことで、犬養に対して、何か出来ることがないかと動き始める。

どちらの2作もこれから物語が始まる序章なら文句なしなのですが、物語も完結してるとは言えず、謎も数多く残ったままでは、このモヤモヤした気持ちをどこにぶつければ良いんだ!と思いましたよ。

そう思ってたら、先日発売された「モダンタイムス」という作品が50年後の話だそうで、絶妙なタイミングで出版しますね。まぁ、私が読むのは、文庫になってからですが(^^;
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by borderline-kanu | 2008-12-10 23:24 | 本&コミック
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