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「ウランバーナの森」 奥田英朗 文庫本
風変わりなというのがぴったりな作品です。
私が手にしたのは、奥田英朗のデビュー作という理由でした。買ってからもなかなか読む気が起きなくて、1年ぐらい寝かせていたけど、ヨメさんが面白いと言っていたので、読み始めました。

「イン・ザ・プール」をはじめとする伊良部シリーズのコミカルさでもなく、「最悪」、「邪魔」といった不幸のどん底に落ちていくクライムサスペンスでもない。ジョン・レノンが凶弾に倒れる前年に日本の軽井沢でバカンスを過ごしていたということをモチーフにした、架空の作品です。他の作品とあまりにも毛色が違ってるという思いが、読むのを躊躇させていました。

主人公は世紀のポップスター、ジョン。今は奥さんの故郷である日本で隠遁生活を送っている。ジョンは便秘になってしまう。それも並大抵のものではなく、何週間もずっと出ない。便をきばる音が凄い、例えば「ふがばばばばっ。ふんむ。うりゃりゃりゃりゃっ。」(原文まま)とか、音の表現が多彩です(^^; ほんとに中盤までずっとこんな調子なんですよ!

彼はジョン・レノンではなく、あくまでもジョンなんだけど、頭の中ではこの音を読むたびに、ジョン・レノンが便秘で苦しんでる姿を想像して、苦笑いが出てしまいます。読んでいて不安になる頃から、ファンタジーな展開になっていくのですが、その中ではジョンの過去のトラウマや気になっていたことが見えてくるんですよ。

読み終わって、もう少しジョン・レノンがどういう人か知っていたら、もっと面白く読めたんだろうなという気はしました。ファンタジーなところは好き嫌いが出ると思いますが、便秘の理由も最後には明かされるので上手くまとまってると思います。

デビュー作でこういうのが書けるのは、奥田英朗の懐の深さを感じましたね。
人に積極的に勧める作品ではないけど、冒険してみたい方は読んでも損はないと思いますよ(^^;
by borderline-kanu | 2009-03-28 15:04 | 本&コミック | Trackback(4) | Comments(2)
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Tracked from 本・月のうさぎ堂 at 2009-04-07 02:58
タイトル : 町長選挙【奥田 英朗】
こんな精神科医がいたら心療内科にかかる患者はいなくなるような気がします。それでも病んでいる世の中なのでこのようなブラック小説好きです。 ...more
Tracked from 粋な提案 at 2009-05-20 03:35
タイトル : ウランバーナの森 奥田英朗
その夏、世紀のポップスター・ジョンは軽井沢で過ごした。 家族との素敵な避暑が、ひどい便秘でぶち壊し。 病院通いをはじめたジョンの元へ、過去からの亡霊が次々と訪れ始めた…。 独特の雰囲気が漂う物語`.....more
Tracked from itchy1976の日記 at 2010-01-15 17:11
タイトル : 奥田英朗『ウランバーナの森』
ウランバーナの森講談社このアイテムの詳細を見る今回は、奥田英朗『ウランバーナの森』を紹介します。本書は、主人公ジョン(本書で、特定した記述はないが、おそらくジョンレノン)の空白の4年間(1976年から1979年)をフィクションで埋めた話である。なぜ、1980年に再び出てきたときは、曲調が変わったんだろうかという問題意識があったんだろう。話の流れは、ジョンが便秘で苦しむことになる。病院から帰宅途中に、過去からの亡霊が出てくる。悪いことをした人には、謝罪し、トラウマになっている出来事には、本心を聞......more
Tracked from ご本といえばblog at 2010-05-13 08:14
タイトル : 奥田英朗「ウランバーナの森」
奥田英朗著 「ウランバーナの森」を読む。このフレーズにシビれた。 来たのか、とジョンは身を固くした。次の瞬間、自分の体からザーッと音を立てて血の気が引いていくのがわかった[巷の評判]読書中毒では,「自分自身のトラウマと向き合い、癒されていくジョン。最後......more
Commented by 藍色 at 2009-05-20 03:42 x
こんばんは。
トラックバックさせていただきました。

トラックバックいただけたらうれしいです。
お気軽にどうぞ。
Commented by borderline-kanu at 2009-05-21 14:18
>藍色さん 
はじめまして。
トラバありがとうございました!
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