リドリー・スコット監督、2008年の作品。
ロジャー・フェリス(レオナルド・ディカプリオ)とエド・ホフマン(ラッセル・クロウ)、CIA中東担当の諜報部員と現場にはほとんど行かない上司という「踊る大走査線」と同じ構図ながら、2人の間に友情なんてものは一切ない。
チームとして協力するどころか、独善的に指示を出し現場を掻き乱すホフマン。ラッセル・クロウが見た目にもかなり太っていてびっくりしたんだけど、この役にはぴったりでした。自分さえ良ければという自己中丸出しで、嫌な上司の典型みたいな人ですね。なんだか昔の上司を思い出しますよ。メガネをずり下げて、上目遣いで冷ややかに見るところなんてそっくりなんですもん(^^;
【ネタばれです】
架空のテロ組織をでっち上げるのって、実際はあんなに上手くいくとは思えないけど、自分が知らないうちにテロの黒幕かのように仕立て上げられる様子は背筋がぞっとしますね。
その標的になったヨルダンの建築家サディキが殺される可能性なんて非常に高いにも関わらず、詰め段階まできて、保護しようと言い出すフェリスは良くわかりません。優秀な工作員として描かれてるので、非情な部分も持ち合わせてるはずだと思っていたから、あの場面で彼の優しさ、もしくはとまどいを描く必要性を感じないんですよね。
レオナルド・ディカプリオは自分が演じたい役にやっと年齢が追いついてきたかなと思います。いつも感じる未見の深いシワも、前作の「ブラッド・ダイアモンド」あたりから気にならなくなってきたしね(^^;
ヨルダン情報局のハニはスマートさが胡散臭く感じましたが、フェリスを助け出した後のホレ見たことかという顔は愛嬌ありました。
全体的には上手くいきすぎな感じも否めませんが、フェリスとホフマンのやり取りだけでも面白いし、アフリカは画になります。派手なアクションがあるわけでもないのに緊張感が持続する、良質のエンターテイメントでした。
街の郊外にある広大なゴミの山、雰囲気のあるロケ現場見つけたなと思ってましたが、全部作り物だと聞いて驚きました。元々は本当のゴミの山なんですが、そこにあるゴミを全部片付けて、きれいなゴミを一面に配置したそうです。予算があるとやることが違いますね。
2009年9月27日(日)DVD
ワールド・オブ・ライズ@映画生活