【ハイサイ、シーサー♪】       映画・サッカー・競馬!
by borderline-kanu
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「空中庭園」
原作は読みました。心が晴れることはないのだけど、人物描写が生々しくて印象に残る作品でしたので、映像化でどうなるか楽しみでした。原作は家族それぞれの視点での独白が多かったのですが、映画は絵里子(小泉今日子)が中心に組み立てられています。

「家族で秘密を作らない。」というルールのもと、理想的な家族を作ってきた絵里子には誰にも言えない秘密があった。しかも家族もそれぞれが秘密を抱えていた。

【ネタバレです】
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オープニングで家族が出かけた後、グーグルのストリートビューのように街の様子を道路からの目線でカメラが映し出すシーンがありました。画面を揺らしたり、回してみたり、気分が悪くなった頃にやっとタイトルが現れるんですよ。正直先が思いやられました…

他にも、絵里子が母親を殺したいという気持ちを表現する心象風景や、ラストの血の雨とか無駄に長くて、非常にテンポが悪いんですよね。映像になるとこうなってしまうかもしれないのですが、なんだかホラーちっくでした(^^;

逆に良かったのは、夫の愛人であり息子の家庭教師(ソニン)と絵里子の母親(大楠道代)の誕生日会での絵里子の本音が吐き出るシーン。これは原作では、夫の愛人視点での話で、ここまでぶっ壊さなかったのですが、もう1人の愛人(永作博美)からかかってくる電話を母親が取ったり、絵里子が母親に対して死んでくれと言ったりと、家族が崩壊しても仕方がないぐらいの弾けっぷりでした(^^;

表面だけ取り繕っても、心の底に溜まってる膿を出し切らないと、上手くはいかないと考えれば、これは家族の再生に向けて必然だったのかも。

娘(鈴木杏)がパパ(板尾創路)にママを愛しているかと尋ねるシーンがあります。「若かった時の夢を捨て、今の仕事にしがみつき、ちっぽけな団地の中で家族を支えるなんてのは、愛がなければできない。」 誰でも多かれ少なかれ、自分を犠牲にしないと、家族が成り立たないということを端的に表したセリフやったなと思います。

そしてラスト。夜になっても誰も帰ってこない部屋で待つ絵里子。母親から電話がかかってくる。「誕生日おめでとう。今日のうちに電話がしたくて…」 絵里子は今日が自分の誕生日ということを忘れていた。
他の家族も誕生日のプレゼントを持って帰ってくる。彼女が目指したのは「秘密を作らない」ということ。でも自分の誕生日を忘れていた彼女に対する嬉しい秘密だったんですよね。理想的な家族とは何なのか、そもそも理想的な家族なんてあるのか、そんなことを考えてしまいました(^^;

2009年11月28日(土)DVD
空中庭園@ぴあ映画生活
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by borderline-kanu | 2009-12-18 23:15 | 映画レビュー
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