1000勝以上してる割には、牡馬G1に勝っていないという勝負弱さ。ルックスは良くても、性格が良すぎる面が裏目に出ることもあったんじゃないかと思わせる騎乗も多い。馬券的にはあまり貢献していただいてはないのですが、実は贔屓にしていた騎手でした。
私が競馬を初めて2年目、牝馬クラッシック路線は、若手騎手が人気馬に乗り、非常に華やかな雰囲気だった。イソノルーブル(松永幹夫)、スカーレットブーケ(武豊)、ノーザンドライバー(岡潤一郎)、シスタートウショウ(角田晃一)などなど。
桜花賞では無敗の1番人気イソノルーブルが落鉄で5着に破れ、1着は角田のシスタートウショウ。続くオークスではシスタートウショウが1番人気でイソノルーブルは距離延長と逃げ馬なのに大外を引いたこともあって、4番人気。しかし大外から果敢に先頭を奪いイソノルーブルが長い直線を凌ぎきって、怒涛の追い込みを見せたシスタートウショウをハナ差で降した。この時が松永の初G1勝ちでした。
桜花賞の悔し涙とオークスの嬉し涙。
競馬にドラマがあるということを教えてもらった瞬間でした。
それから松永騎手のことを少しづつ注目するようになりました。近年ではデビュー数年でフリーになる騎手がほとんどのなか、師匠である山本調教師が『厩舎の馬でいつか幹夫でG1を獲る。』とずっと言ってるほど、強い絆で結ばれていることも私を惹きつけました。地方ではカネツフルーヴ、レギュラーメンバーでG1勝ちがあるものの、JRAでは今回が自厩舎でのG1初勝利。しかもこれが天覧試合での初の混合G1勝ち。来年は引退予定のなか、間際での嬉しい勝利でした。
相変わらず馬券的には完全に無視していて獲れなかったんだけど、ゴール直前では、『幹夫差せ!』と思わず叫んでしまいました。人気薄だったこともあるんだろうけど、控えめなガッツポーズも彼らしいと思います。
本当におめでとうございました!