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【ハイサイ、シーサー♪】       映画・サッカー・競馬!
by borderline-kanu
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「ダーウィンの悪夢」
ずっと観たかった映画です。現地の映像とインタビューだけで構成されていて、中盤は少々眠気も起こりました。でも、寝てしまうと”悪夢”にうなされると思い我慢しましたよ(^^;

数百種の固有種のすみかで、“ダーウィンの箱庭”と呼ばれていたヴィクトリア湖に放たれた外来魚が巻き起こす悪夢を追ったドキュメンタリー。カメラはナイルパーチ景気に湧く魚輸出業者と、新しい経済が生み出した貧困の光と影を映し出す。そして、魚を運ぶためにアフリカにやってくる飛行機が積んでいるものの正体が、徐々に明らかになっていく。世界規模で行われている搾取の実態が描き出されている。 Yahoo!映画より
「ダーウィンの悪夢」_a0031718_114581.jpg

タンザニアのヴィクトリア湖畔で4年間に渡って撮った映像は、貧困、飢餓、ストリートチルドレン、HIVの蔓延など、知識として知っていても、実際に目の当たりにすると、この世の地獄を見た気になる。映像の影響力を感じました。

だからこそ、気になったことがあります。
一晩、1ドルで警備をする男にたびたびインタビューしてるのですが、
『タンザニアの人は給料が良い兵士になりたがってると、しかし戦争が起こらないと雇ってもらえないから、国民は戦争が起こることを望んでいる』と言うような内容です。かなり悲惨な映像を見せつけられると、納得しそうになるけど、さすがに偏った意見でしょう。その証拠に彼以外の戦争希望論者にはインタビューしてないんですよね。多数の国民が自国で戦争起こって欲しいと願ってるとしたら、それの方が地獄じゃないですか。

映画の最初と最後に、魚を輸出する飛行機が武器を積んで来てるんじゃないかという話になります。監督はこの辺りをナイルバーチから始まったグローバリゼーションの行く末としたいのだとは思う。しかし、「ロード・オブ・ウォー」を見ていても魚があろうとなかろうと武器はアフリカに運び込まれているんだろうし、問題はあの空港の管理がずさんなことの方が大きい。映画ではナイルバーチがすべての元凶のような印象をうけるけど、武器密輸の問題はもっと根深く、魚に関係なく起こりうることだと思う。

いろいろと書きましたが、非常にインパクトがあってアフリカの今を切り取った映像であることは確かです。知識で知ってるから、いいやと思うのではなく、知ってる人ほど観て欲しい作品だと思います。

2006年1月21日(日) 梅田ガーデンシネマ
ダーウィンの悪夢@映画生活
by borderline-kanu | 2007-01-23 22:19 | 映画レビュー
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