公開1週間前になると、出演者たちがこぞって番宣でTVに出まくるのは、見慣れた光景ですが、2週間も前から、しかも監督だけで至るところに顔を出してるのは、三谷幸喜ぐらいでしょう。驚いたのは、「ガキの使い」に出てたこと。鼻にワサビを詰められるは、頭から卵や納豆をかけられるはで、何もそこまでしなくてもと、誰もが思ったんじゃないですか(^^; それにしても彼の芸人根性、いや監督根性には頭が下がります。
この作品には、色々な映画のオマージュがあります。私は元の作品の基礎知識がないから、細かい部分まで楽しめてないかもしれませんが、公式HPのプロダクションノーツには監督自ら、劇中映画の紹介がされているので、私と同じぐらいのレベルの方は、鑑賞前に一度見ておくのも良いと思いますよ。
【たっぷりネタバレです】
売れない役者が、映画の撮影と思い込んで、殺し屋として街にやって来る。あらすじを読んだ時には、コメディだから良いけど、なんともアバウトそうな作品だなというのが、観る前の第一印象。
実際に鑑賞したら、マネージャー(小日向文世)がいることに意表をつかれた。
どうみても怪しい映画の撮影に対して、いちゃもんをつけることで、最初は監督が自らハードルを上げてるなぁと思ってました。でも彼の存在は、「そんなん、おかしいぞ。」と思ってる観客の代弁者なんですよ。この作品がコメディであるにしろ、最低限のリアリティを保ってるのは彼のおかげだと思いました。それでも結局は、病院で撮影の邪魔になる医者を止めたり、最後は外国人ギャング役まで受け持って、どっぷりはまってるんですけどね(^^;
村田大樹(佐藤浩市)は根っから俳優でした。
ボス(西田敏行)とデラ富樫=村田の絡みは最高!お互い勘違いしてる綱渡りの会話には大爆笑でした。村田が隣のビルから撮影していると思ってるから、ことあるごとに窓を見るとこも細かいなぁと。このシーンどう終わらすのかと思ったら、備後(妻夫木聡)の「カット!」の一声。そこで村田以外の全員が狐につままれたような顔になるところが好きです。
そして、デラ富樫の愛称が苦し紛れでカットになっちゃうし、備後以外がデラのことをカットと言ったら、「この人以外は、カットと言っちゃダメだ!」と村田が怒ったりと、話がどんどん転がっていくところなんて気持ちいい。エボラ(香川照之)の前でデラが素顔を見せるシーンは、どうみても新種のゴリラでしょ(^^;
ラストシーンは映画撮影の技術を使って、ボスを騙すという大掛かりな仕掛け。
そこも一ひねりあって、本物のデラ富樫まで登場し、最後まで楽しませてもらいました!
妻夫木聡は髪型ばかり気になったけど、新境地開拓でした。彼の笑顔って、意外と詐欺師向きなのかも。
「THE 有頂天ホテル」でボーイ役で歌ってた香取慎吾が、また歌ってましたね。
2008年6月7日(土) ワーナー・マイカル・シネマズ高松
ザ・マジックアワー@映画生活