あやつり人形劇は今までほとんど観たことがなかったけど、この作品を観ようとした時に思い出したのが、「マルコビッチの穴」。劇中劇としてあるマリオネットの動きは、魂が入ったようで芸術の域に達してるなとほれぼれしました。
この作品は、物語全編をあやつり人形だけでクオリティを落とさずに表現できるのだろうかという点に非常に興味を持って鑑賞しました。
【ネタバレです】
普遍的な内容で、物語の面白さという面では期待できませんが、あやつり人形という動きに制限があるものを逆手にとって、世界観を作っているのが面白かったです。いやでも目に入るあやつり糸が彼らが生きるための生命線なんです!そうすることで、糸の多さが見ていても全く気にならなくなって来るんですよね。
それどころか、糸を生かした演出が秀逸でした。
例えば、子供たちが遊びで、絡まっちゃったと自分たちで糸を絡ませて、親に解いてもらったり、牢屋では、格子状の屋根があるためにあやつり糸が自由に動かせなくて、それが移動を制限するためのものとして描かれている。
そして、牢屋からの脱出方法が格子の屋根を落とすことだったりとアイデアの豊富さに舌を巻きますね。
人形の口が動かないので、どうしても表情の乏しくなるのは残念だけど、大人が観ても十分楽しめる作品だと思います。
2009年1月23日(金) DVD
ストリングス/愛と絆の旅路@映画生活