30歳で結婚した男女の10年間の物語。
誰でもがという訳ではないだろうが、子供がいることで夫婦の関係はより密接になっていくものだと思う。少なくとも私は、子供を育てるのに1人では立ち向かえないと感じているし、子供の成長が自分たちの成長でもあるのかなと最近思い始めた。この作品を見るタイミングとしては非常に良かったと思います。
【ネタばれです】
翔子(木村多江)は自分さえしっかりしていたら、カナオ(リリー・フランキー)と上手くいくと思っていたが、生まれたばかりの赤ん坊を失って心が折れてしまった。2人とも同じように喪失感はあるにしても、心の受け止め方は正反対だった。カナオが書いた娘のスケッチを見て、やっと彼も娘を大事に思っていたことにに気づく。子供が亡くなったというのに、会話がなかったことが翔子をどんどんと孤独へ追いやっていく。そんな時こそ夫婦で支え合わないといけないのだろうけど、現実はそう上手くいかない。
正直言って、カナオを見てもどかしくて仕方がなかった。彼が彼女のことを大切にしているのは話の端々や行動で分るものの、逃げないで面と向かわないと夫婦であっても伝わらないんですよね。
客観的に見ているから、カナオみたいなことはないと今は言えるけど、自分やヨメさんがウツになる可能性だってあるかもしれない。その時、腫れ物の触るような感じではなく、本気で向かい合うことの大切さというのを教えてくれた気がします。
子供が生まれる前に夫婦生活で口げんかするシーンをはじめ夫婦2人の会話が、この作品の一番面白いところです。お互いの気持ちが繋がる会話のリアルさが好きですね。
リリー・フランキーは、この役は彼しかいないというぐらい、自然体な演技はぴったりでした。こういうちょっとダメ男的な役しか向いてなさそうなのも確かなんだけど、まぁ俳優じゃないですもんね。
教訓:手は小さいほうが良い(^^;
2009年5月5日(火) DVD
ぐるりのこと。@映画生活