「チーム・バチスタの栄光」、
「ナイチンゲールの沈黙」に次ぐ海堂 尊の3作目。
「ジェネラル・ルージュの凱旋」も一緒に買ったので、どちらを先に読むか、悩んだけど出版順にしました。
舞台は今は東城大学医学部付属病院のサテライト病院という位置づけとなった碧翠院桜宮病院へ。毎回、現代医療の問題点を提起しているのですが、今回は院長である桜宮巌雄の信念を通して、終末期医療について語られています。
「医学とは屍肉を喰らって生き永らえてきた、クソッタレの学問だ。」、巌雄院長も強烈な個性の持ち主なので、メッセージは良く言えば印象的だったし、悪く言えば少々くどい。医療問題を広く一般の人々に分りやすく伝えるということに関しては大成功だと思いますが、比重がそちらに掛かりすぎて、物語のバランスが悪い気がします。
氷姫いよいよ登場!看護婦の経験が東城医大病院の研修しかしていないというのを差し引いても、頭でっかちで知識>>>運動神経な個性派。でもこれぐらい耐性が強くないと精神的にやられますわな(^^; 白鳥の相方としては田口とはまた違ったタイプですね。
3作品とも医療問題を扱っていて、舞台や登場人物も同じなのにテイストが作品ごとに違うんですよね。大枠でミステリーになるんでしょうが、結構振り幅の大きいシリーズだなと思います。作者の器が大きいのか、はたまた迷走気味なのか、まだまだ続くようなので、この後の作品も楽しみです。ヨメさんはバチスタよりナイチンゲールが好きだと言ってたけど、私はバチスタ>螺鈿>ナイチンゲールかな。
ラストで桜宮の生き残りが北へ向かいますが、本当にすみれなんでしょうか?
「爪が甘い」というのは姉の小百合の口癖みたいなもんでしたから、さゆりと入れ代わって小百合が生き残ったんじゃないかと思ったのでんですよね。私は以降のシリーズを読んでないので、ひょっとして答えが出てるのかもしれませんが、気になって仕方が無いです(^^;