TUTAYAに行くと、伊坂作品の新作が3品、どれにしようか悩みましたが、唯一原作を読んでいないこの作品を選んだ。
「アヒルと鴨のコインロッカー」を見事に映像化した中村義洋監督作というのも決め手になりました。
「フィッシュストーリー」って、ほら話って意味だったんですね。映画の登場人物と一緒に驚いてしまいました。「僕の孤独が魚だったら・・・」ちょっと変な歌詞だし、私も魚関連の話?って思ってましたよ(^^;
【ネタバレです】
逆鱗というバンドのアルバムに入っている1曲である「フィッシュストーリー」、全くのオリジナル曲で、劇中何度も流れるのですが、本当に映画にマッチしていました。
小説の中での音楽というのは読む人の想像で自分の好みに変えられるけど、映像になってしまえば、そうもいかない。観客を満足させるのって、意外と難しいと思うのですが、私は原作を読む前に観たというのもあって、斉藤和義プロデュースのこの曲は良かったと思います。
特にレコーディングシーンではフルコーラス歌ってたんですが、彼らの歯がゆさと歌えることの嬉しさが伝わってきましたよ。曲中の無音部分が物語のポイントの1つで、レコーディングで明かされます。独断でヴォーカルが語りを入れたのがNGとなり、取り直さずに無音にするのですが、バンドメンバー全員の気持ちを代弁する言葉に思わず熱い気持ちが込上げてきます。
レコード屋の話(2012年)、気弱な青年の話(1982年)、シージャックの話(2009年)は、この曲と関連があります。(かなり繋がりが薄い話もありますが。)肝心の隕石墜落(2012年)は、さらに微妙な気もしますね(^^; どこかに曲が出てきて欲しかったなぁ。
それでも、壮大なほら話としては、十分楽しめました。全ての話が繋がり、ラスト5分でダイジェストで流されるのですが、ここは爽快としか言い様がないですね!ストーリーもジャンルも全く違いますが、
「アイデンティティー」のラストを思い出しました。
2009年11月23日(日)DVD
フィッシュストーリー@映画生活